画像所見と患者背景を総合的に評価し、以下を目安に適応を判断します。
1. 適応を検討しやすい症例
患者意向と全身状態
- 子宮温存および低侵襲な治療を強く希望されている。
- 治療中の腹臥位保持や、術前の腸管前処置に協力が可能。
画像・病変特性
- MRI T2強調画像: 低信号〜中等度低信号(治療効果が高い)。
- 病変の種類: 筋層内筋腫または漿膜下筋腫で、被膜が明瞭なもの。
解剖学的条件
- 超音波経路: 腹壁と病変の間に腸管の介在がない。
- 手術既往: 下腹部に大きな開腹手術歴がなく、癒着のリスクが低い。
2. 慎重な判断・非適応を検討する症例
治療効率の低下が予想される場合
- MRI T2強調画像で高信号優位。
- 高度肥満(皮下脂肪層が厚く、焦点へのエネルギー減衰が著しい)。
解剖学・技術的困難
- 粘膜下筋腫が主体(他の低侵襲治療、子宮鏡下手術等が優先される場合がある)。
- 広範な腹部手術既往による腸管癒着の疑い。
- 腸管前処置(下剤等)の協力が得られない。
子宮腺筋症は月経困難症等の症状とともに不妊症の原因となる問題があります。子宮全摘が主な手術療法であったが妊孕性温存を目的とした保存手術も行われるようになりましたが、術後の妊娠の妊娠中期以降に子宮破裂のリスクが問題になっています。
HIFUによる子宮腺筋症の治療は月経困難症等の症状改善のみならず、不妊治療成績を向上させ経腟分娩も可能とすると報告されています(文献5,6)。
子宮腺筋症に対する子宮全摘に代わる治療法として、特に挙児希望のある患者には選択肢の一つとして提供していきたいと考えています。