19施設・27,053例を対象とした大規模解析において、報告された有害事象は延べ13,170件でした(文献4)。
※1症例あたり複数の有害事象を含む解析です。
※SIR分類(Society of Interventional
Radiology)は、IVR領域で広く用いられている国際的な有害事象重症度分類であり、本解析では同分類に基づいて有害事象の重症度評価が行われています。
有害事象の大部分(99%以上)は軽微
-
SIR分類 クラスA(治療不要)+クラスB(軽微な治療を要する)
→ 全有害事象の 99.21% -
主な症状
- 軽度の下腹部痛
- 仙尾骨部痛
- 一過性の帯下異常
これらの症状の多くは治療後数日以内に自然軽快し、必要に応じて鎮痛薬などの保存的治療で対応可能と報告されています。
重篤な有害事象はどの程度か?
▶ SIR分類 クラスC・D(治療を要する有害事象)
- 全患者に対する発生率:0.38%
- 永続的後遺症(クラスE):0%
- 死亡例(クラスF):0%
主な重篤有害事象
皮膚熱傷(0.14%)
- 重篤有害事象の中で最も頻度が高い
- 腹部手術瘢痕の存在がリスク因子として報告
- 適切な患者選択および音響経路の事前評価により、発生リスク低減が示唆されています
腸管損傷(0.02%)
- 極めて稀だが、外科的対応を要する場合あり
- 超音波の音響経路から腸管を十分に排除できなかった症例で報告
- 術前画像評価および体位調整の重要性を示唆
急性腎不全(0.02%)、深部静脈血栓症(DVT)など
- 高血圧、貧血、脱水などの基礎疾患やNSAIDs等の併用薬が背景因子として報告
- HIFUに特異的な合併症というより、適応判断および周術期管理に関連する事象と考えられています
まとめ
HIFU治療における有害事象の大半は軽度かつ一過性であり、重篤な合併症は稀であると報告されています。
有害事象の発生を可能な限り低減するため、当院では術前評価、治療中のモニタリングおよび治療前後の管理を慎重に実施しています。
(文献4)Yunchang Liu, Wendy Wenyi Zhang, Min He, Chunmei Gong, Bin Xie, Xiangxia Wen, Dandan Li, & Lian Zhang. (2018). Adverse effect analysis of high-intensity focused ultrasound in the treatment of benign uterine diseases. International Journal of Hyperthermia, 35(1), 56–61.PMID: 29792359. https://doi.org/10.1080/02656736.2018.1473894
(文献5)Yishan Chen, Shunhe Lin, Xi Xie, Jingsong Yi, Xishi Liu, Sun-Wei Guo. (2024). Systematic review and meta-analysis of reproductive outcomes after high-intensity focused ultrasound (HIFU) treatment of adenomyosis. Best Practice & Research Clinical Obstetrics & Gynaecology, 92, 102433.PMID: 38065008. https://doi.org/10.1016/j.bpobgyn.2023.102433
(文献6)Yu Fu Huang, Jia Deng, Xue Li Wei, Xin Sun, Min Xue, Xiao Gang Zhu, Xin Liang Deng. (2020). A comparison of reproductive outcomes of patients with adenomyosis and infertility treated with high-intensity focused ultrasound and laparoscopic excision. International Journal of Hyperthermia, 37(1), 301–307.PMID: 32208771. https://doi.org/10.1080/02656736.2020.1742390