子宮筋腫の痛みの特徴!自覚できる症状や痛み以外のサインを紹介
生理のたびに痛みがひどくなっていたり、お腹に重だるさを感じたりして、「子宮筋腫かもしれない」と不安になっていませんか?
子宮筋腫は成人女性に多くみられる疾患ですが、痛みの出方や程度には個人差が大きく、症状だけで判断するのが難しいケースも少なくありません。
痛みの特徴や主な症状を正しく把握すれば、受診のタイミングや治療の必要性を見極めやすくなります。
この記事では、子宮筋腫の種類別の痛みの特徴から、痛み以外のサイン・治療が必要なケースまでわかりやすく解説します。
子宮筋腫は痛みを感じるのか?

子宮筋腫は必ずしも痛みを伴うわけではなく、まったく自覚症状がないまま検診で発見されるケースも珍しくありません。
一方で、筋腫の発生部位や大きさによっては、月経時の強い下腹部痛や慢性的な腰痛が生じることがあります。
痛みが出やすいのは、筋腫が子宮内膜に近い部分に生じた場合や、筋腫が大きくなって周囲の組織を圧迫している場合です。
症状の有無や程度には個人差があるため、「痛くないから大丈夫」と自己判断せず、定期的な婦人科受診で状態を確認することが重要です。
子宮筋腫の種類

子宮筋腫は発生する部位によって、筋層内筋腫、粘膜下筋腫、漿膜下筋腫の3つに分けられます。
ここでは、それぞれの症状の現れ方をわかりやすく解説します。
筋層内筋腫
筋層内筋腫は、子宮壁の筋肉層(筋層)の中に生じるタイプで、子宮筋腫のなかで最も発生頻度が高いとされています。
筋腫が大きくなると子宮全体が腫大し、下腹部の圧迫感や鈍痛を感じやすくなります。また、月経血の量が増えることもあり、貧血につながるケースも見受けられます。
およそ4センチを超えると自覚症状が出やすくなりますが、自覚症状が出にくい段階から存在することもあるため、定期検査での早期把握が大切です。
粘膜下筋腫
粘膜下筋腫は、子宮内腔に面した粘膜のすぐ下に生じるタイプで、1センチ以下と小さくても症状が出やすい特徴があります。
月経量の著しい増加や、月経期間の延長を引き起こしやすく、強い月経痛を伴うことも少なくありません。
不正出血が続く場合にも、このタイプが原因として疑われることがあります。
妊娠・出産への影響が懸念されることもあるため、妊娠を希望する方は早めに専門医へ相談することが望ましいです。
漿膜下筋腫
漿膜下筋腫は、子宮の外側を覆う漿膜のすぐ下に生じるタイプです。
子宮の外に向かって発育するため、4センチを超えても月経量への影響は比較的少ない傾向があります。
一方で、筋腫が10センチを超えるなど大きくなった場合は、膀胱や直腸を圧迫し、頻尿・便秘・腰痛などの症状が現れることがあります。
茎(けい)を持って突出する「有茎性筋腫」になった場合、茎がねじれて急激な痛みを生じるリスクもあるため注意が必要です。
子宮筋腫の痛みの特徴

子宮筋腫による痛みは種類や部位によって異なり、月経時だけでなく日常的に生じる場合もあります。
ここからは、子宮筋腫の痛みの特徴を詳しく解説します。
月経痛(生理痛)の悪化
子宮筋腫があると、月経時に子宮が収縮する際の痛みが強まりやすくなります。
とくに粘膜下筋腫や筋層内筋腫では、子宮内腔の形状が変化することで収縮が不規則になり、痛みが増強されやすいです。
「以前より生理痛がひどくなった」「鎮痛薬が効きにくくなった」と感じる場合は、筋腫の影響を疑う目安の一つになります。
月経痛の悪化は子宮内膜症でも起こるため、自己判断せず婦人科で原因を確認することが重要です。
下腹部の鈍痛・圧迫感
月経とは関係なく、下腹部に鈍い痛みや重だるさを慢性的に感じる場合があります。
これは、筋腫が大きくなることで周囲の組織や臓器を圧迫するためで、筋腫の大きさが増すにつれて症状が強くなる傾向があります。
「お腹が張っている感じが続く」「下腹部が重い」といった感覚は、見過ごされやすいサインのひとつです。
日常生活に支障が出るほどの鈍痛がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
腰痛・背部痛
子宮筋腫が大きくなると、骨盤内の神経や周辺組織を圧迫し、腰や背中にかけての痛みとして現れることがあります。
腰痛は整形外科的な原因と混同されやすく、婦人科疾患との関連が見落とされるケースも少なくありません。
とくに月経期間中に腰痛が強まる場合は、子宮筋腫をはじめとする婦人科疾患との関連を考慮する必要があります。
腰痛が続く場合は、整形外科だけでなく婦人科への相談も選択肢に含めることが大切です。
性交時の痛み
子宮筋腫の位置や大きさによっては、性交時に痛みや不快感を感じるケースがあります。
とくn子宮頸部に近い部分や後壁に筋腫が生じている場合、性交時の刺激が痛みとして感じられやすくなります。
性交痛は子宮内膜症など他の疾患でも見られるため、原因の特定には専門的な検査が必要です。
パートナーとの関係にも影響しうる症状であるため、一人で抱え込まず婦人科に相談することが望ましいです。
筋腫の変性・茎捻転による急性疼痛
有茎性の漿膜下筋腫では、茎がねじれる「茎捻転」が起こると突然の激しい痛みが生じます。
また、筋腫内部の血流が途絶えて組織が変化する「変性」が起こった際にも、急激な腹痛や発熱を伴うことがあります。
これらは緊急性の高い状態であり、速やかに医療機関を受診する必要があります。
日頃から筋腫の存在を把握し、急な痛みが生じた際に適切に対応できる準備をしておくことが重要です。
子宮筋腫は痛み以外にもさまざまな症状がある

子宮筋腫の影響は痛みにとどまらず、出血・排尿・妊娠など多方面に及ぶことがあります。
ここからは、子宮筋腫が疑われるサインとなる症状をわかりやすく説明します。
過多月経・月経期間の延長
子宮筋腫による最も頻度の高い症状のひとつが、月経血量の増加です。
とくに粘膜下筋腫や筋層内筋腫では、子宮内膜の面積が広がったり収縮機能が低下したりすることで、出血量が著しく増えることがあります。
「ナプキンを頻繁に替えないと間に合わない」「レバー状の血の塊が出る」といった変化は、過多月経のサインとして注意が必要です。
月経期間が8日以上続く場合も、医療機関への相談を検討しましょう。
貧血
過多月経が続き、体内の鉄分が慢性的に失われると、鉄欠乏性貧血を引き起こしやすい状態になります。
貧血が進むと、疲れやすさ・めまい・動悸・息切れなどの症状が日常的に現れることがあり、「最近やたらと疲れる」「立ち上がるとふらつく」といった不調が続く場合、子宮筋腫による貧血の可能性があります。
自己判断でサプリメントを摂取するだけでなく、原因を特定するために婦人科的な検査を受けることが重要です。
頻尿・排尿困難
筋腫が大きくなって膀胱を圧迫すると、トイレが近くなる頻尿や、排尿しにくい感覚が現れることがあります。
これは、膀胱の容量が物理的に圧迫されるために起こる症状で、筋腫の位置が膀胱に近い場合に生じやすいです。
「以前より頻繁にトイレに行くようになった」「尿が出きらない感じがある」という変化は、見落とされやすいサインのひとつです。
排尿の問題は泌尿器科疾患との鑑別も必要なため、気になる場合は専門医に相談してください。
便秘・排便時の不快感
子宮の後方に生じた筋腫が直腸を圧迫すると、便が出にくくなったり排便時に違和感を感じたりすることがあります。
慢性的な便秘の原因として婦人科疾患が関わっているケースは少なくなく、見過ごされやすい症状です。
食事や生活習慣を改善しても便秘が解消しない場合は、骨盤内に別の原因がある可能性を疑うことも大切でしょう。
婦人科と消化器科の両面から評価することで、原因を適切に絞り込めることがあります。
不妊・流産リスクの上昇
子宮筋腫の存在が、妊娠しにくい状態や流産のリスク上昇に関与する場合があります。
とくに粘膜下筋腫は子宮内腔の形状に影響を与えるため、受精卵の着床を妨げる可能性が指摘されています。
筋層内筋腫でも大きさや位置によっては、妊娠経過に影響することがあるため、妊娠を希望する方は事前に専門医への相談が望ましいです。
子宮筋腫と不妊の関係は個々の状態によって異なるため、医師と十分に話し合いながら方針を検討することが重要です。
子宮筋腫はなぜできるのか?

子宮筋腫の発生には、深く関わっていると考えられるのが、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンです。
エストロゲンは筋腫細胞の増殖を促す働きがあり、閉経後に分泌量が低下すると筋腫が縮小しやすくなることもその関係を裏付けています。
また、母親や姉妹に子宮筋腫の既往がある場合は。発症リスクが高まる可能性も指摘されており、遺伝的素因も一因として考えられています。
しかし、子宮筋腫が発生するメカニズムの全容は、まだ解明されていません。
ホルモン・遺伝・生活習慣など複数の要因が複合的に関与しているというのが、現在の医学的見解です。
【関連記事】子宮筋腫の原因とは?女性ホルモンやライフステージの変化、生活習慣の乱れに要注意
子宮筋腫で治療が必要なケース

子宮筋腫は経過観察でよい場合もありますが、症状や状態によっては適切な治療を検討する必要があります。
では、どのようなケースで治療が必要になるのか、以下でわかりやすく紹介します。
日常生活に支障が出る症状がある場合
月経痛や過多月経が著しく、仕事・家事・学業など日常生活に影響が出ている場合は、治療を検討するタイミングです。
「毎月、生理の時期になると仕事を休まざるを得ない」「貧血がひどくて動けない」といった状態が続くようであれば、経過観察だけでなく積極的な対処が必要です。
症状の程度は個人差が大きいため、「このくらいは普通」と思い込まずに医師への相談を検討しましょう。
貧血が進行している場合
過多月経による慢性的な出血で貧血が進行している場合は、内科的なアプローチだけでなく、出血の原因である筋腫への対処も必要です。
血液検査でヘモグロビン値が低下している場合、貧血の状態が体に負担をかけ続けていることを意味します。
鉄剤の補充で一時的に数値が改善しても、根本原因に対処しなければ貧血が繰り返されることがあります。
貧血と子宮筋腫が同時に認められる場合は、婦人科と連携しながら総合的に治療方針を検討することが重要です。
妊娠を希望しているが妊娠しにくい場合
不妊の原因として子宮筋腫が関与していると判断された場合、妊娠のために筋腫への治療介入を検討することがあります。
とくに粘膜下筋腫は子宮内腔に影響を及ぼしやすく、着床の妨げになることがあるため、早めに専門医に相談することが望ましいです。
治療の選択肢は、筋腫の種類・大きさ・位置・患者さんの希望によって異なります。
妊娠を望む場合は、子宮の温存を前提とした治療法について医師と十分に話し合い、最善の方針を選択しましょう。
筋腫が急速に大きくなっている場合
定期検査で筋腫の急速な増大が確認された場合は、経過観察から治療へ切り替えることが検討されます。
急速な増大はまれに悪性腫瘍(子宮肉腫)との鑑別が必要になるケースがあり、精密な検査と専門医の判断が重要です。
また、大きくなった筋腫が膀胱・直腸・血管などを強く圧迫する場合も、治療の適応を考慮する必要があります。
定期的に超音波検査を受診すれば、筋腫のサイズを継続的に確認することができ、変化を早期にとらえられる可能性があります。
まとめ
子宮筋腫は発生部位や大きさによって痛みや症状の現れ方が大きく異なり、月経痛の悪化・過多月経・貧血・頻尿など多様なサインとして現れることがあります。
自覚症状がない場合でも筋腫が存在することがあるため、定期的な婦人科受診で状態を把握し続けることが症状の早期発見と適切な対処につなげるポイントです。
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