子宮筋腫とは?発症するメカニズムや具体的な治療法をわかりやすく解説
子宮筋腫について、「自分の症状は大丈夫なのか」「どの治療を選ぶべきか」を知りたい方も多いのではないでしょうか。
実際に、月経量の増加や強い生理痛、将来の妊娠への影響などに不安を抱えている方は少なくありません。
子宮筋腫の早期発見と適切な治療には、症状の特徴を正しく理解し、必要なタイミングで婦人科を受診することが大切です。
この記事では、子宮筋腫の基礎知識から症状・検査・治療方法、お腹を切らないHIFU治療までを紹介します。
子宮筋腫の定義

子宮筋腫とは、子宮の筋肉の層にできる良性の「こぶ」のような腫瘍です。
子宮の筋肉細胞が何らかのきっかけで増え、丸いしこりとして成長していきます。
多くは命に別状がない良性腫瘍ですが、大きさやできる場所によって月経や妊娠に影響することもあるため、医療機関での正確な診断・検査が求められます。
子宮筋腫は40代前後の女性に多くみられますが、20代・30代で見つかることもあり、婦人科でよく診断される疾患のひとつです。
子宮筋腫が発症する原因とメカニズム

子宮筋腫の具体的な発症原因は、現代医療でも完全には解明されていません。
しかし、ホルモン環境の変化や子宮の筋肉(平滑筋)にある一部の細胞の変化などが、発症の要因に関わっていると考えられています。
ここでは、子宮筋腫が発症するメカニズムをわかりやすく解説します。
女性ホルモンと子宮筋腫の関係
子宮筋腫は、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの影響を強く受けて大きくなると考えられています。
思春期以降に発症が増え、閉経後に筋腫が小さくなっていくことからも、ホルモンとの関連が示唆される病気です。
そのため、妊娠・出産回数や月経のパターンなど、ホルモン環境の違いが筋腫の成長に影響するとされています。
一方で、ホルモンだけで全てを説明できるわけではなく、個人差が大きい点も特徴です。
子宮筋層の細胞が増える仕組み
子宮筋腫は、子宮の筋肉(平滑筋)にある一部の細胞が、通常とは異なる増え方をすることで生じます。
何らかのきっかけで細胞の遺伝子に変化が起こり、その細胞の分裂が続くことで「こぶ」のような塊になると考えられています。
この変化は悪性腫瘍とは異なり、多くは良性のままゆっくりと成長するのが一般的です。
ただし、筋腫の数や大きさは人によって大きく異なり、定期的な経過観察が勧められることもあります。
遺伝的要因や体質による影響
子宮筋腫は、家族に筋腫をもつ人がいる場合に発症しやすい傾向が報告されています。
母親や姉妹に子宮筋腫の既往があると、自身も見つかる可能性がやや高いといわれる病気です。
また、人種や体格、生活習慣なども発症に関わる可能性が指摘されていますが、どの要素がどの程度影響するかはまだ研究段階です。
現時点では「遺伝と環境が複雑に関わる体質的な病気」と理解しておくとよいでしょう。
まだ完全には解明されていない点
ホルモンの影響や遺伝的要因が関わることは分かっていますが、なぜ特定の人に多発するのかなど、未解明の部分も残る疾患です。
そのため、現時点では「これをすれば必ず予防できる」といった方法は確立していないのが実情です。
一方で、定期的な婦人科受診により早期に見つけ、症状やライフプランに合わせた治療方針を検討することが大切になります。
【関連記事】子宮筋腫の原因とは?女性ホルモンの変化や生活習慣の乱れ、ライフステージの変化に要注意
子宮筋腫の主な症状

子宮筋腫が発症すると、月経の症状や下腹部の調子、排尿などに異常がみられる場合があります。
ここでは、子宮筋腫の主な症状をわかりやすく解説します。
月経量が多くなる・月経が長引く
子宮筋腫では、「月経の量がいつもより多くなる」「出血がいつもより長く続く」といった症状がみられる場合があります。
レバー状の血のかたまりが増えたり、夜用ナプキンでも足りないほど頻繁に交換が必要になったりすることも少なくありません。
このような過多月経が続くと、知らないうちに貧血になり、だるさや動悸、息切れなど日常生活にも影響が出る場合があります。
下腹部痛・腰痛・圧迫感
子宮筋腫が大きくなってくると、下腹部の重い感じや張ったような不快感が出ることがあります。
生理痛が以前より強くなったり、生理ではない時期にも鈍い痛みや腰痛を自覚したりするケースもあります。
筋腫の位置によっては、周囲の臓器を圧迫し、下腹部にしこりを触れる・お腹が前に出たように感じるといった変化がみられることもあるため、異常がある場合は早めに診断を受けましょう。
排尿・排便に関する症状
子宮の前方や後方に筋腫ができると、膀胱や直腸が押されて排尿・排便のトラブルにつながる場合があります。
「頻尿になりトイレが近くなる」「尿が出しにくい」「残尿感がある」などの症状は、子宮筋腫が疑われるサインです。
また、直腸が圧迫されると便秘が悪化したり、排便時に違和感を覚えたりすることがあり、「年齢のせい」と思い込んでしまうケースも見られます。
妊娠・出産への影響
子宮筋腫の位置や大きさによっては、妊娠しにくさや流産・早産などのリスクに関わる可能性があります。
受精卵が着床しづらくなる場合や、妊娠中に筋腫が変化して痛みを生じる場合もあるため、妊娠を希望される方では慎重な評価が重要です。
一方で、子宮筋腫があっても問題なく妊娠・出産に至る方も多く、「筋腫があると必ず妊娠できない」というわけではありません。
妊娠を考えている場合は、婦人科で筋腫の状態を確認し、今後の妊娠・出産計画とあわせて適切な方針について相談することが大切です。
子宮筋腫の診断・検査方法

ここでは、子宮筋腫で婦人科を受診した場合の診断・検査方法を簡単に紹介します。
問診と内診
子宮筋腫が疑われる場合、まず月経の状況や出血量、痛み、妊娠歴などについて詳しくお話を伺います。
そのうえで内診を行い、子宮の大きさや形、硬さ、しこりの有無などを確認し、筋腫がありそうかどうかを総合的に評価します。
問診と内診は、後に行う画像検査の結果を読み解くうえでも重要な情報となるため、気になる症状や不安はできるだけ具体的に伝えることが大切です。
経腟超音波検査(エコー検査)
子宮筋腫の診断では、経腟超音波検査が基本的な検査として広く用いられています。
細長いプローブを腟内に挿入し、子宮や卵巣を超音波で描出することで、筋腫の有無や大きさ、位置などを比較的短時間で確認できる検査です。
被ばくがなく身体への負担も少ないため、外来診療で繰り返し行われることが多く、経過観察や治療方針の検討にも役立ちます。
MRI検査
筋腫の数が多い場合や、手術・HIFUなどの治療方法を具体的に検討する際には、MRI検査が推奨されることがあります。
MRIは子宮筋腫の位置や性状、周囲臓器との関係を立体的に把握しやすく、超音波検査だけでは分かりにくい情報を得られることが特徴です。
検査時間はやや長くなりますが、治療の適応や安全性を判断するうえで有用な情報が得られるため、必要に応じて医師から検査を勧められるでしょう。
血液検査・貧血の評価
子宮筋腫による過多月経が疑われる場合には、血液検査で貧血の有無や程度を確認します。
ヘモグロビン値などを測定することで、日常生活への影響や薬物療法の必要性を評価し、治療方針を立てる際の参考とします。
また、年齢や症状によっては、ホルモン状態や他の疾患がないかを確認する目的で、追加の血液検査が行われることもあります。
子宮筋腫治療の選択肢

子宮筋腫の治療では、保存的治療・薬物療法・外科的治療に加えて、お腹を切らないHIFU治療などの選択肢があります。
ここでは、それぞれの治療の特徴をわかりやすく解説します。
保存的治療(経過観察・対症療法)
子宮筋腫が小さい場合や症状が軽い場合には、まず経過観察を選択することがあります。
定期的に画像検査などで筋腫の大きさや症状の変化を確認し、必要に応じて治療方針を見直す考え方です。
【特徴】
- 症状が軽い場合に、身体への負担を抑えつつ様子をみる治療選択
- 定期的な婦人科受診により、病状の悪化を確認しながら続ける日常生活
- 将来の妊娠やライフプランを踏まえた、治療開始タイミングの検討材料
これらを組み合わせることで、「今すぐ治療が必要かどうか」の慎重な見極めにつながります。
薬物療法
月経量の増加や痛みなどの症状を軽減する目的で、ホルモン剤などの薬物療法が行われることがあります。
薬によって月経を調整し、貧血の改善や日常生活の質の向上を図る方法です。
【特徴】
- 比較的短期間で症状の軽減が期待される治療手段
- 内服薬や注射薬など、症状や年齢に応じた薬剤の選択肢
- 中止後に元の状態へ戻る可能性も含めた、効果と継続期間の事前検討
薬物療法は、手術やHIFUなどの治療へ進む前段階として位置づけられることもあります。
外科的治療(手術療法)
筋腫の大きさや数、症状の程度によっては、手術による治療が検討されます。
主な方法として、子宮を温存して筋腫だけを取り除く「子宮筋腫核出術」や、子宮ごと摘出する「子宮全摘術」などがあります。
【特徴】
- 筋腫そのものを取り除くことによる、症状改善の期待
- 開腹手術・腹腔鏡手術・子宮鏡下手術などからの、病状に応じた術式選択
- 入院・麻酔・回復期間・妊娠への影響を踏まえた、事前の十分なインフォームドコンセント
どの術式が適切かは、年齢や妊娠希望の有無、全身状態を含めた総合判断となります。
【関連記事】子宮筋腫の手術を徹底解説!術式ごとのメリット・デメリットや流れを紹介
お腹を切らないHIFU治療(高密度焦点式超音波治療)
HIFUは、高密度の超音波を子宮筋腫に集中的に当て、体の外から熱で筋腫組織を変性させる治療です。
皮膚を切開せずに行うことができるため、「お腹を切らない治療」の一つとして注目されています。
【特徴】
- 皮膚切開を行わないことによる、創部瘢痕の少ない治療形態
- 超音波画像で位置を確認しながら行う、計画的かつ集中的な超音波照射
- 詳細な検査と専門医による評価を前提とした、適応症例の慎重な選別
特に子宮を温存したい方や切開手術を避けたい方にとって、検討され得る治療選択肢となります。
子宮筋腫の早期発見ポイントと受診の目安

子宮筋腫の早期発見には、日常生活における身体の変化を無視しないことが大切です。
ここでは、子宮筋腫の早期発見ポイントと受診の目安を紹介します。
月経の変化に早く気づくこと
子宮筋腫の早期発見のためには、月経の量や期間の変化に注目することが重要です。
月経に関して、以下の変化があった場合は早めの婦人科受診が望ましいです。
- 急に月経量が増えた
- 期間が長引くようになった
- 血のかたまりが目立つようになった
「以前と比べて明らかに違う」と感じた時点で相談することが、病気の早期把握につながります。
身体のだるさや貧血症状に注意する
過多月経が続くと知らないうちに貧血になり、疲れやすさや動悸、息切れなどが生じる場合があります。
「休んでも疲れが抜けない」「階段で息切れが強くなった」などの変化が続くときは、月経との関係を含めて確認することが大切です。
日常生活に支障をきたすだるさがある場合には、婦人科受診とあわせて血液検査による貧血の評価が勧められます。
下腹部の張り・しこり感に気づいたとき
お腹の下の方が張った感じが続いたり、下腹部に硬いしこりのようなふくらみがあったりする場合、子宮筋腫が関与していることがあります。
服のウエストがきつくなったのに体重はそれほど変わっていない、下腹部だけ前に出てきたと感じる際には注意が必要です。
このような変化に気づいた段階で受診することで、筋腫の大きさや位置を早期に評価しやすくなります。
妊娠を希望する場合の受診タイミング
今後の妊娠・出産を考えている方では、症状の有無にかかわらず、一度子宮の状態を確認しておくことが望ましいとされています。
特に、生理痛の増強や出血量の変化がある場合は、妊娠に影響し得る要因がないかを早めにチェックすることが重要です。
妊娠を試みる前、または妊活を始めてから早い時期に婦人科で相談しておくと、治療やフォローの計画を立てやすくなります。
まとめ
子宮筋腫は多くの女性にみられる良性腫瘍であり、症状の有無や程度、年齢や妊娠希望によって適切な治療方針が大きく変わります。
診断には、問診・内診や超音波検査、必要に応じたMRI検査などが用いられます。保存的治療・薬物療法・手術療法・HIFUなど、複数の選択肢から総合的に検討することが重要です。
ご自身の症状やライフプランに合った治療を選ぶためには、信頼できる医療機関で十分な説明を受け、不安や疑問を解消していくことが大切です。
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